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10月の投句一覧

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2024年10月23日
  • 読了時間: 3分

入選6句、特選1句(コメント付き)

選句締切 10月25日


1 身に入むや哀悼号の重み手に

2 よく飛んでから蛤となる雀

3 残されて秋の金魚となりにけり

4 身にしむや小銭も鳴らぬ夜を帰る

5 水澄みて人の言葉のありがたき

6 天高し大屋根のある鬼瓦

7 封切らぬ俳誌が洩らす秋のこゑ

8 父の忌を過ぎたる鵙の日和かな

9 身にしむや日焼け障子のかぎ裂きに

10 身にしむや雨のあとから氷るとき

11 身にしむや旅先に鍵忘れたり

12 身に入むや外燈の灯に雨しきり

13 身にしむや妻三日目の旅にゐる

14 大事なく近火修まりそぞろ寒

15 無人駅途中下車して秋高し

16 身に入むや一刻を待つ駅にゐる

17 自然薯に癖なきもののなかりけり

18 日の縁に旧重陽のあくび出て

19 身にしむや隠退人に長き午後

20 裏木戸につづく山路や栗拾い

21 家路ゆく釣瓶落としの入日かな

22 南港に身に入むうどん啜りをり

23 放ちても戻る笹舟秋の風

24 身にしむや無人のレジに惑ひゐる

25 身にしむや家族の減りて箸減りぬ

26 送らるる車の席にある木の実

27 身にしむや三線の音の風にあり

28 べからずもべしも要らぬぞ今年酒

29 穭田に影を伸ばして老農夫

30 十月の沖の光を分けて船

31 身に入むや小さき雨のやみし後

32 櫟の実回す子どもの得意顔

33 身に入むや死ねば病は治るとて

34 烏瓜やはり素直に引かれざる

35 身にしむやすでに越したる師の齢

36 身に入むや野辺の地蔵の鼻欠けて

37 ハナミズキひとつつけたる実の赤さ

38 コスモスやときに牛糞匂はせて

39 身にしむや年金下ろす列にゐる

40 古井戸の固く閉ざされ十三夜

41 身に入むや煌めくものに朝の匙

42 思ひ出す亡き師の俳句身に入みて

43 老蝶の水面すれすれ過ぎゆけり

44 牛膝避けたつもりで転びたる

45 身にしむや遠き昔の船旅も

46 七輪に焼ける秋刀魚を待ちてをり

47 身に入むや夢のほとりの水明かり

48 灯台に登れば天のなほ高く

49 亡友の画額の裏かつづれさせ

50 冬隣りいつまで咲くか菊白し

51 身にしむや施錠も鍵も忘れたる

52 駆け込み寺雨粒もまた式部の実

53 身に入むや墓石の水に映る空

54 皀莢の木陰下りて川の風

55 身にしむや隣の夫婦大喧嘩

56 身にしむや我も老いたる同窓会

57 流さるることも安堵か下り鮎

58 同じ月同じ空より鶴来る

59 遠州の大波に濃き秋日かな

60 火灯窓一人の旅の身に入みぬ

61 身に入むや湘南ボーイになりきれず

62 佇めば影は一つに萩と我

63 栗飯を炊いて子を待つ日曜日

64 身にしむや指先にある小さき傷

65 身にしみて転ばぬ先の杖太く


以上です。

 
 
 

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11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

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