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4月の兼題「光」

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2024年4月7日
  • 読了時間: 2分

今月は芽笹が出題いたします =============================


「風光る」という季語があるように、あらゆるものが陽光にきらめく季節です。

また、光といえば「ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ」という和歌もあります。

紀貫之のいとこの紀友則の作です。

私たちも、光あふれる日々を見つめて作句してみましょう。   芽笹



シスターズのひとこと(松子より)============================


つくづく自分はガサツな人間だなと思うこの頃、懐かしい言葉に出会った。

「機微」という言葉。

ガサツでは済ませられない。と、生きにくさを感じている日々。

「機微」という言葉に出会って、自分は「機微欠落症」であるという思いに至った。

機微の肯定的な場合は、聡い。否定的な場合は疎い。

私の場合は、欠落的であるから、当然疎いのであるのだけれど。

そもそも機微とは「機」と「微」で、表面だけではわからない、小さなおもむきや事情のこと。

「機」が心の動きや物事の変化をいい、「微」は小さなものやはっきりしないものを言うらしい。

お気づきと思うが、心の動きと、物事の変化はすごく違うので、もやっとなる。

しかし、流動しているというのは同じで、その動きについての対応であるということだと思う。

(そもそも、欠落しているので、認知できない、もしくは誤認識しているのだな)


「機微」の関連語に「機微な個人情報」あるいは「機微情報」という言葉がある。

つまり、思想・信条・宗教・人種・本籍地・社会的身分・犯罪歴・障害の有無・

健康診断や病歴・デモへの参加歴・性生活に関する事項など。

口には出してはいけないこと。知りたがってはいけないこと、噂にしてはならないこと。

さらに、「機微度」という言葉もある。機微度が高い品物とは、軍事に使用される恐れが高いものを言う。


ついでだから、機微の言い換え表現を。

「微妙」。これは同じとは言えないかも。

機微は「表にあらわれにくいもの」であるのに対して、微妙は

「たしかにそこにあらわれているものの、繊細で言い表すことが難しい、細かく複雑な様子」

という意味らしい。これは分かりやすい。

びっくりなのは、「隠微」いんび。

機微では変化そのものがかすかであいまいであるというにニュアンスであったが、

隠微は変化そのものは確実にそこにあるけれど、外面からは分かりづらいというニュアンスらしい。


なんとややこしいが、この違いが判らないと、機微にはほどとおいのかもしれん。


「風光る」を前に、ぐるっとこんなことを考えていました。             松子


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投句数は3~10句。

投句をお待ちしております。

◆投句締め切りは4月15日(月)です。

 
 
 

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11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

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