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5月の兼題 「蟻」

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2022年5月29日
  • 読了時間: 2分

5月の兼題を西北さんに出していただきました。

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耳元でプーンと聞き覚えのある(耳障りな)音が聞こえると、

ああ、もうこんな季節なんだなーと慌てて殺虫スプレーを取り出します。

兼題を「蚊」にしようかな、とも思いましたが、その時、同時に

「そうそう、そろそろ砂糖壺を冷蔵庫へ仕舞わないと」と思いつきました。

この季節、うっかり砂糖壺に蟻を入れてしまい、往生したことが何度かありました。

                               西北


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シスターズのひとこと(松子)

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蟻といえば、忘れらない作品がある。柳幸典という人の作品で、

タイトルは忘れてしまったけれど、素材は四畳半ぐらいの大きさの紙と、

確かボールペンだったと覚えている。紙はタペストリーになって壁に貼ってあった。

紙には不思議な線がほぼ一面に、余すところないほど描かれていた。

その作品の主人公は蟻であった。早い話、蟻の足跡を柳さんが這えずりながら

追いかけたものだ。蟻は小さいのでよほど張り付かないと足跡は辿れない。

蟻は柳さんから逃げているわけではない。

自由に囲い(紙には囲いをしてあったそうだ)の中を歩き回っているのだった。

蟻にとっては柳さんは見えないのだと柳さん自身から聞いた。

あまりに大きすぎて認識できないのだそうだ。

大きすぎるものって見えないことってありますよね。と言われて、

あまりの怖さに顎が外れそうになった。

背中がざわざわするとき、私は振り返って後ろを見る。

それから空を見上げて。わかっているわよと言ってみる。       松子


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11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

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