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5月の投句一覧

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2022年5月29日
  • 読了時間: 2分

1 雨続く蟻は倦まずに働ける

2 靴に触れ銀盃草の揺れ始む

3 歳時記の頁のしなり走り梅雨

4 隣家より鼻歌聞こゆ更衣

5 味うすく煮上げし豌豆盃かさね

6 黙々と蟻の咥へて蛇の皮

7 足音の聴こえぬけれど蟻の列

8 かく小さき蟻に手足のうごめける

9 菓子ひきて月の畳を蟻迷ふ

10 ひと吹きで蟻卓上を飛行せり

11 なまけものがきつとゐるはず蟻の国

12 蟻の列猫が跨いで去りにけり

13 蟻の道きつとどこかにたどりつく

14 羽蟻の夜便箋に置く「不一」かな

15 蟻踏めり鳴き声もなくつぶれけり

16 蟻の列いくさは遠きことならず

17 走り梅雨ステルス艦が接岸す

18 青東風や黄なる光の願かけて

19 山蟻にみち譲るかに町の蟻

20 先頭は誰が決めるか蟻の列

21 蟻の列乱すは小児の好奇心

22 黒き夜のしたたりのごと羽蟻かな

23 葉桜や教会の屋根黒瓦

24 はたらきあり足跡なんぞ残さざる

25 蟻よぎる駅へと急ぐ足元を

26 トンネルの遠き出口や新樹光

27 厚底の錫のぐい飲み傘雨の忌

28 働きあり歌舞音曲とは無縁

29 真直ぐに伸びる木道夏来る

30 藤房や今日も願ひの届かざる

31 一匹の蟻止まりまた歩きだす

32 新樹忌も遠くなりたり藍浴衣

33 亡骸を巣に引き蟻の葬始まる

34 新しき靴で歩めば風薫る

35 たどりつくといふ字を書きて聖五月

36 蟻を見る我の背中を見下ろす目

37 朝風に命もらひぬ鯉のぼり

38 衣更えて海に行きたくなりしかな

39 その答えは風に吹かれて羽蟻飛ぶ

40 一山をひとかたまりに若葉風

41 卯の花のあはき匂に誘はるる

42 その理由わかつているのに聖五月

43 沖光る新しき夏まつすぐに

44 通り過ぐ吟行の人蟻の列

45 薔薇さかり校庭午後の声あふれ

46 阿夫利嶺へ梨花満開のうねりかな

47 馬の背に蟻つかまりて茶馬古道

48 行く春の満艦飾は沖を向き

49 蟻の巣や迷路のやうな古き家

50 雨あがり蟻穴覗く子の静か

51 夏鶯庭の小鳥と鳴きまじる

52 蟻と蟻口づけかわし別れけり

53 蟻塚を蹴つて女王脅かす

54 菖蒲湯に顎まで古稀を沈めても

55 さわさわと葉音を立てて夏の雨

56 枇杷やさし赤子眠れる昼の家

57 十薬もいとはず咲かせ一人住む

 
 
 

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11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

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