top of page

5月の投句一覧

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2023年5月20日
  • 読了時間: 2分

選句をお願いします(入選6、特選1 コメント付きで)


1 桐の花谷戸の八百屋は一軒に

2 蟇歩む夕空茜く染め上げて

3 水鏡明日の田植えを待ちてをり

4 今の世は憂しと地中へ蟇蛙

5 人去りて椅子残さるる夜の秋

6 また一つ年を重ねて更衣

7 四人目も男の子の生まれ紙幟

8 死語となる経済成長ひきがへる

9 我とゐて風に吹かるる夏の星

10 新緑や子どもの声のよく通る

11 柿の花どつさり降つて咳止まず

12 バス停に吸い殻転がり風薫る

13 転倒す都会の地球の硬き夏

14 世の果のごとくプールを覗きこむ

15 蟾蜍ベンツの車庫に燕の巣

16 甲斐路ゆく列車に緑差しにけり

17 蟇の眼に月の光のあるばかり

18 金魚買う名付けし日に夏灯る

19 幼子の片蔭たどる帰り道

20 蟾蜍庭の隅より見る母屋

21 薔薇の香や我が来し方の悔ひ忘れ

22 あるもので食をつなぎて夏の月

23 サングラスして巡礼に蹤いてゆく

24 黄砂降る五十八歩の万歩計

25 高原にランチの家族風薫る

26 我よりも軽々と跳ぶひきがへる

27 嫌はれてゐても平然ひきがへる

28 夏野原空気の濃きにつかれたる

29 月命日真白き薔薇を買ひにけり

30 世の蟻のどの一匹も名を持たず

31 稜線に祭囃子の風とどく

32 恋とげてゆるりとがまは山に入る

33 父の膝黙して見やる蟇蛙

34 値上げの夏メニュー閉ぢては開きては

35 よく見れば鬼より怖い蟻の顔

36 新樹光宿の夫婦の島話

37 ビアジョッキの泡のごとくに稔り麦

38 このごろの世はがまよりも妖しかり

39 男ならヒキガエルねと母笑ふ

40 自転車をのそりと避けるひきがへる

41 いつも来る蟇を待つ間のときめきよ

42 青東風や島の風呂より海望む

43 AIは我がことならず蟾蜍

44 ヒキガエル醜女と云われし我が身哉

45 裏口に棲みて幾年蟾蜍

46 園の中真紅の薔薇にある奢り

47 青東風や荷物落ちつく島の宿

48 稔り麦稔れるままに田を植ゑる

49 青嵐診療所まで急ぎ足

50 狂はざる電子時計や余花の冷え

51 五月雨や島の港の郵便局

52 役場より川へ石段夕河鹿

53 目隠しテストこれは何ヒキガエル

54 古稀というだけの意味あり蟾蜍

55 艶めきて薔薇の崩れる兆しあり

56 五月雨や港にひとつたらひ舟

57 植田ずつと一尺づつの高低差

58 ひきがへる天涯孤独といふ茶人

59 秒針の影秒針に蹤く五月

60 白服や揺れるピアスのエメラルド

61 蟇この家の昔知つてをり

62 髭剃つて立夏の風に出でにけり

63 蟇鳴くや世の不条理を嘆くごと

64 蟾蜍老いては声に艶もなし

65 ひきがへる文を編み出す機器生るる

66 銅像が影をともなふ麦の頃

67 我もまた引きこもりなり蟇蛙


以上です。

 
 
 

最新記事

すべて表示
11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

コメント


このページは芽笹が管理しています。

© 2022 熱闘句会

bottom of page