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6月の投句一覧

  • 執筆者の写真: Junko Mezaki
    Junko Mezaki
  • 2022年6月20日
  • 読了時間: 2分

1 衣更へて雨音軽くなりにけり

2 蛍消ゆ昔の恋は忘れよと

3 瀧音へ道細り行く濃紫陽花

4 蛍火や妣の口癖思ひ出し

5 沢蛍和泉式部を読めば増ゆ

6 竹庭の風ほしいまま夏座敷

7 七変化雨のリズムを刻みつつ

8 その人の声なき句座や百日紅

9 蛍火の増ゆると猟師帰りくる

10 カーテンを引き残したる夜の牡丹

11 湧き水の流る稲田や初蛍

12 夏涼し漆喰の壁にそつと触れ

13 耳伏せて寝る猟犬や大蛍

14 友の手の蛍火洩るるを貰ひけり

15 ででむしやフェンスの端に迷ひたる

16 冷酒飲む唇薄き男かな

17 蛍火に流れ乱るる天の川

18 梅雨曇り富士のみえざる富士見亭

19 あぢさゐの葉の雨垂れを呑んでみる

20 六月の風の湿りをまとひけり

21 消えてゐる間蛍は闇を吸ひ

22 きみの名を呼んでみたくて山法師

23 流蛍やひときは闇の深まれり

24 紫陽花や猫失せぬる日咲き初めし

25 蛍にも眠りあるらむ夢も見む

26 蛍火を掌の内そとのぞく

27 出目金の緋色ひらりと金魚鉢

28 枕抱く猫の匂ひに心凪ぐ

29 闇に濡れ光に戻る蛍かな

30 成就せぬ恋美しや蛍の夜

31 端居してビルばかり建つ町憂ふ

32 蛍飛ぶ七日の命惜しむかな

33 夏の夜富士ふくらめる闇の中

34 子らの手をかすめて蛍飛んでゆく

35 鮮やかな夏服まとひ人を待つ

36 逢いたしと書かずに手紙蛍の絵

37 梅雨深し取れてしまひぬ歯の被せ

38 蛍火も相寄りし夜更けゆけり

39 朝に失つ夫婦蛍瓶の底

40 窓二つ並べば顔の夏館

41 濃紫陽花流れは今日も濁れをり

42 恋蛍棚田の棚をつつと越え

43 転がりし鉛筆拾ふ夏検診

44 万緑に大きく息を吸うてみる

45 相模野の地平線より白日傘

46 採血の順番を待つ五月闇

47 青梅雨の窓の青きに触れてみる

48 猫バスの来そうな闇に蛍飛ぶ

49 蛍火の相寄る中へ割り入りぬ

50 竹皮を脱ぎ竹幹を離れざる

51 掌に水の香残し蛍去る

52 夕焼けや妻の形見の犬は死に

53 竹皮を脱ぎ青空の深きこと

54 蛍籠ごねては美女が持ち去りぬ

55 忍冬の蜜吸ひ人とかかはらず

56 日雷芭蕉の杖を守る町

57 月命日生家の縁に蛍来る

58 推敲す初蚊の痕を二の腕に

59 声潜め水べりに待つ恋蛍

60 初恋のひと蛍火になりしとか

61 流螢の今年も祭なかりけり


 
 
 

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11月の披講

皆さま、遅くなりましたが、11月の披講をアップしました。 お預かりしたコメントを書き込みましたので、熱闘掲示板もご覧になってください。

 
 
 
11月の投句一覧

1 小春日の猫の隣に座してをり 2 山あひは雪の予報に身構へり 3 小春日や大釜に蕎麦なだれ入れ 4 扇風機の首を傾げて秋行きぬ 5 釣人の距離を小春の鴉埋め 6 冬の墓地慟哭やまぬ老者あり 7 小春日の海老腰婆が蕎麦を刈る 8 新米に出羽の水音聴いてをり 9 大磯の小春の石は文鎮に 10 冬の蝶こころに形あるとせば 11 鬼を呼ぶ子供らの声小春かな 12 冬の虻膝にとまりて小春かな 13 燗の酒

 
 
 
11月の兼題

兼題 「小春」(芽笹)=========================== 長くて暑い夏が終わったと思ったら、秋があっという間に過ぎてゆきました。 もうじき立冬。暦の上では冬になります。 というわけで、冬とはいえ暖かな日差しの「小春」を詠んでみましょう。 ぬくぬく、ほんわか、そんな気分で過ごしたいですね。             芽笹 シスターズのひとこと(松子)================

 
 
 

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