9月の投句一覧
- Junko Mezaki
- 2023年9月20日
- 読了時間: 2分
選句をお願いします(入選6句、特選1句 コメント付きで)
1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み
2 共学に母校変りぬ檸檬の香
3 檸檬酸き味わつている片思ひ
4 挨拶はしたもん勝ちや秋の空
5 川べりや藤の実はじけ獺祭忌
6 檸檬の香一人住まひの部屋に満ち
7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華
8 檸檬齧つて良い子装うことやめる
9 登山道足を休めて檸檬切る
10 滴りて檸檬秘密を炙りだす
11 鰯雲ついに消えたり高炉の火
12 かみ合わぬ夫婦の想いレモン酸し
13 仙人草つぎつぎひらき病むばかり
14 カクテルに添へしレモンや恋の夜
15 秋風にちさきサンダル洗いけり
16 一病で足りぬ齢や秋暑し
17 檸檬の香ナポリの海の思ひ出よ
18 赤とんぼてんでに飛んでも群れてをり
19 檸檬切る恋愛小説遠き事
20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく
21 レモン酸し深酔い用心する齢
22 妊れりレモンの色の目眩して
23 忘れるな大根おろし檸檬もね
24 さざ波の鴨の胸打ち八月尽
25 島を去る君に檸檬を投げ渡す
26 揚げたてに檸檬を添へてAランチ
27 掌の中にレモン半分隠れをり
28 一檸檬宝石のごと盗まれる
29 賜りしレモン三個の香る夜
30 寝足りては薄く上手にレモン切れ
31 くし形の檸檬を並べ食卓に
32 たなごころ揺り籠のごと檸檬受く
33 秋蝉の声澄みとほる御社
34 草の道ひらきてゆける野分かな
35 秋の夜の行きわたりたる大藁家
36 渦潮の光に檸檬磨かるる
37 秋茄子を腐らせてゆく野分かな
38 事故の記事つぶさに読むや虫の夜
39 檸檬すつぱし七十の男にも
40 黄昏に形をたもつ檸檬かな
41 駅までの近道昼を地虫鳴く
42 檸檬噛む光のレンズ溶けてゆく
43 島裏へ渡る船客秋の顔
44 レモン甘くなるかも阪神優勝し
45 灯ともして檸檬の陰を払ひけり
46 さわやかやベンチに寝転ぶ昼休
47 世界映す白露の光今日も晴れ
48 気配りは似合はぬ言葉自然生
49 黄昏の部屋に檸檬とふたりきり
50 祖母の愚痴聞き流したり檸檬切る
51 満月の裏がもっとも寂しけれ
52 遠来の客と思へし檸檬かな
53 花嫁は檸檬の島より船で来し
54 日本晴れ凭るる肩なきさわやかさ
55 芋虫や天を仰ぎてとどまれり
以上です。
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